受講にあたっての心構え
テーマが「生命」ということで、理系(生物・医学・農学・薬学・看護)への進学を考えている人には、教科書の枠を超えた内容を学ぶことによって、将来の自分の進路を考える際の参考になると思います。「将来の社会がどの方向に向かっていくのか」を学び、自分自身の立ち位置をこの講座を材料にして自分自身で考えて欲しいです。
アメリカの大学では、「21世紀は生物の世紀」を合言葉に生物学を理工系学生の必修科目にする動きが起こっています。その流れを紹介した朝日新聞の記事に、MIT教授の「生物学が必要なのは、理工系学生ばかりではない。現代生物学が病理の理解や治療法を大きく変える一方、生物としての人間の理解も急速に進んでいる。21世紀の教養人は、人間というものを知るために、現代生物学を多少なりとも理解することが必要になってくると思う。」という言葉が紹介されていました。
また、現代は「総合知」が求められる時代です。「総合知」とは、人間・社会・自然などの多様な側面を総合的に理解し、論理的に考え、判断する能力で、一つの専門分野だけでなく、自然科学、人文・社会科学、さらには地域社会、企業・行政、文化・芸術など幅広い領域の知見を統合した“知”です。文系であっても、社会を生き抜いていくための科学技術の基礎的知見や考え方を学び、総合知を獲得することが重要で、科学技術に関する知見をいろいろな分野で総合的に活用して社会の諸課題に的確に対応することが求められています。