学校教育の変遷
明治5年の「近代国家としての教育改革」、昭和23年の新憲法下の「戦前の反省としての教育改革」、そして、今回の1994(平成6年)の臨教審・中教審の「平成の教育改革」をまとめて、日本の教育三大改革といわれます。
また、世界的には、1990 年代は、「リプロダクティブ、ヘルス/ライツ」を提起したカイロ国際人口会議(1994)、女性の地位向上の指針となる「行動綱領」が採択された北京女性会議(1995)、男女共同参画社会基本法の公布(1999)などに象徴されるように、女性の人権に関連した一連の大きな動きがありました。
学校教育では、1999年に高等学校では学習指導要領の改定が告示され、2002年度からの完全学校週五日制に対応して、学ぶ総量を減らしたうえでカリキュラム編成の自由化が進められました。授業「生命」の実施時期はこの“ゆとり教育”(2002~2011年)の時代と重なります。
1999年にノートルダム清心学園清心女子高等学校で誕生した授業「生命」は、女子生徒の理系進学支援という社会的な使命に応える教育プログラムとして、これまで学校教育が取り込めなかった内容を教科横断的に扱う方針で企画したものです。そして、2006年に文部科学省SSH事業で研究課題「生命科学コースの導入から出発する女性の科学技術分野での活躍を支援できる女子校での教育モデルの構築」で採択を受けた学校で、SSHの教育プログラムの根幹を担う科目に設定され、2015年度まで2期10年間続きました。
2022年の学習指導要領は、「生きる力」を身につけることを目的としています。新しい時代に即した教育内容を提供し、社会で活躍するために必要な力を身につけることを目指しています。
2023年11月にリニューアルした授業「生命」が都心の山脇学園の課外授業として再出発しました。今の時代の社会的な役割に応えて、学校の枠を越えた教育活動につながるように運営していきたいと考えています。