これまでの取り組み
1989年にノートルダム清心学園清心女子高等学校のU字側溝でサンショウウオの死体を見つけた時期に、何の卵かわかなないということで生物教室に持ち込まれたのが、サンショウウオ(現在のセトウチサンショウウオ)の卵嚢でした。そのことがきっかけになって、生物部の有尾類の研究が始まりました。1991年に、飼育下で成熟した成体の自然産卵を観察することに成功しました。
1980年代後半に日本中でゴルフ場建設ラッシュが起こりました。ゴルフ場建設予定地に生息しているということで、調査の依頼があったのがオオイタサンショウウオです。オオイタサンショウウオ(1996年環境省絶滅危惧Ⅱ類指定)が持ち込まれ、新たな研究対象になりました。飼育下の繁殖方法の確立に取り組み、自然産卵と人工授精の方法を確立しました。その後、イモリ属の貯精嚢についての研究にも取り組みましたが、約30年間の有尾類の研究で培った飼育下の繁殖技術を応用して、ビオトープでの自然繁殖を目指してトウキョウサンショウウオの保全に取り組みます。